高いポイント還元率と年会費無料で絶大な人気を誇る楽天カード。楽天市場をはじめとする楽天グループのサービスで利用するとさらにお得になるため、「メインカードとして使っている」という方も多いのではないでしょうか。

しかし、その手軽さゆえに利用額が膨らみ、気づけば支払いが困難な状況に陥ってしまうケースも少なくありません。

「リボ払いがなかなか減らない…」 「今月の引き落としが厳しい…どうしよう…」 「複数の支払いがあって、楽天カードの分まで手が回らない…」

もしあなたが今、このような状況で悩んでいるのであれば、「債務整理」、特にその中でも「任意整理」という手続きが有効な解決策になるかもしれません。

この記事では、債務整理の専門家が、楽天カードの任意整理に関する最新の傾向や、手続きを進める上での注意点、そして気になる楽天グループサービスへの影響について、徹底的に解説します。

一人で悩みを抱え込まず、正しい知識を得て、生活再建への第一歩を一緒に踏み出しましょう。

1. 楽天カードってどんなカード?

まず、任意整理の対象となる楽天カードについて、その特徴を改めて確認しておきましょう。

楽天カードは、楽天カード株式会社が発行するクレジットカードです。2023年12月末時点で、その会員数は3,000万人を突破しており、日本で最も多くの人に利用されているクレジットカードの一つと言えます。学生や、主婦層などにも人気が高く、収入がそんなに高くない方でも作りやすいカードとして人気が高いです。

<楽天カードの主な特徴>

  • 高いポイント還元率: 通常の買い物でも1%の楽天ポイントが貯まり、楽天市場での利用ではさらに還元率がアップします。
  • 年会費が永年無料: 一般的な楽天カードは年会費がかからないため、誰でも気軽に持ちやすいのが魅力です。
  • 幅広い加盟店: 国際ブランド(Visa, Mastercard, JCB, American Express)が付帯しており、国内外のさまざまな店舗で利用できます。
  • 楽天グループとの連携: 楽天市場、楽天トラベル、楽天モバイルなど、楽天の各種サービスと連携することで、ポイントが相乗効果で貯まりやすく、使いやすい仕組みになっています。
  • 豊富なキャンペーン: 新規入会キャンペーンや利用促進キャンペーンが頻繁に実施されており、お得にポイントを獲得する機会が多くあります。

これらの魅力から、多くの人が日常的に楽天カードを利用しています。しかし、その利便性の高さが、時として使いすぎを招き、返済困難な状況に陥る一因となることもあるのです。もし支払いが難しいと感じたら、決して放置せず、早めに対策を講じることが重要です。

2. 楽天カードは債務整理できる?

結論から申し上げますと、楽天カードの利用代金は債務整理の対象とすることができます。

これは、ショッピング利用分(一括、分割、リボ払い)だけでなく、キャッシング利用分も同様です。クレジットカードの支払いは、カード会社に対する「借金」と同じであり、法律に則った手続きで減額や免除を求めることが可能です。

債務整理には、主に以下の3つの手続きがあります。

  1. 任意整理: 裁判所を通さず、債権者(この場合は楽天カード株式会社)と直接交渉し、将来発生する利息(将来利息)のカットや、返済期間の延長(3年〜5年程度の分割払い)をしてもらうことで、月々の返済額を減らす手続きです。最も多く利用されている債務整理の方法です。
  2. 個人再生: 裁判所に申し立てを行い、再生計画の認可を受けることで、借金を大幅に(通常は5分の1程度に)減額し、その減額された借金を原則3年(最長5年)で分割返済していく手続きです。持ち家を残せる可能性があるなどのメリットがあります。
  3. 自己破産: 裁判所に申し立てを行い、支払い不能であることを認めてもらうことで、原則として全ての借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。高価な財産は手放す必要がありますが、生活を根本からリセットすることができます。

どの手続きが最適かは、借金の総額、収入、財産の状況などによって異なります。しかし、「特定の会社の借金だけを整理したい」「周囲に知られずに手続きを進めたい」といった場合には、任意整理が最も適した選択肢となります。

この記事では、この「任意整理」に焦点を当てて、楽天カードの対応を詳しく解説していきます。

3. 楽天カードの任意整理への対応や傾向

債務整理、特に任意整理を検討する上で最も気になるのが、「相手の会社(債権者)が交渉に応じてくれるのか?」という点でしょう。任意整理はあくまで交渉事であるため、債権者によって対応の柔軟性は異なります。

その点、楽天カードは、任意整理に対して比較的協力的で、柔軟な対応をしてくれる傾向にあります。専門家が介在して交渉すれば、多くのケースで和解が成立します。

ここでは、楽天カードの任意整理における具体的な対応傾向を3つのポイントに分けて解説します。

3-1. 最大で5年(60回分割)に応じてもらえる

任意整理の交渉では、残った元金を何回で分割返済していくかが重要なポイントになります。分割回数が多ければ多いほど、月々の返済額は少なくなります。

楽天カードの場合、多くのケースで60回(5年)の分割払いを基準として交渉に応じてくれます。これは、近年多くのクレジットカード会社が条件を厳しくしている流れの中、他の多くのクレジットカード会社と比較しても、好意的な条件と言えます。

例えば、楽天カードのショッピングリボとキャッシングで合計120万円の残高がある場合を考えてみましょう。

  • 任意整理前: 高いリボ払いの手数料(年利15.0%など)がかかり、毎月返済しても元金がなかなか減りません。
  • 任意整理後: 将来利息がカットされ、元金の60万円を60回で分割返済する和解が成立したとします。その場合、月々の返済額は「60万円 ÷ 60回 = 1万円」となります。

このように、返済計画が明確になり、月々の負担を大幅に軽減できる可能性があります。

もちろん、これはあくまで一般的な傾向であり、借入額や取引期間(楽天カードをどのくらいの期間利用していたか)によっては、60回を超える長期の分割払いに応じてくれるケースもあれば、逆にもっと短い期間での返済を求められるケースもあります。しかし、基本的には最大「60回分割」が一つの目安となると考えて良いでしょう。

3-2. 将来利息の全額カット

任意整理の最大のメリットは、和解成立後から完済までに発生する将来の利息(将来利息)や遅延損害金をカットしてもらえる点にあります。

リボ払いやキャッシングを利用していると、返済額の多くが利息の支払いに充てられてしまい、元金が思うように減らない「利息地獄」の状態に陥りがちです。任意整理によってこの将来利息がゼロになれば、あとは元金のみを返済していけば良いため、返済のゴールが明確に見え、完済への道筋が立てやすくなります。

楽天カードは、この将来利息のカットについても、原則として全額免除の方向で交渉に応じてくれることがほとんどです。専門家が適切な手順で交渉すれば、将来利息のカットが認められないというケースは極めて稀です。

これにより、「返済しても返済しても借金が減らない」という悪循環から抜け出すことが可能になります。

3-3. 返済開始の時期も柔軟に対応してもらえる

任意整理の手続きを弁護士や司法書士に依頼すると、まず専門家から楽天カードに対して「受任通知」という書類が送付されます。この通知が楽天カードに届いた時点で、本人への直接の請求や督促がストップします。

その後、専門家が取引履歴の開示請求、利息の再計算、和解案の交渉などを行い、最終的に和解契約を締結するまでには、通常3ヶ月から6ヶ月程度の期間がかかります。この期間中は、楽天カードへの返済が一時的にストップするため、その間に生活の立て直しや、和解後の返済資金の準備をすることができます。

さらに、楽天カードは和解後の第一回目の返済開始時期についても、ある程度柔軟な対応をしてくれることがあります。例えば、「和解が成立した月の翌々月から返済開始」といったように、交渉によって数ヶ月の猶予を設けてもらえる可能性があるのです。

この猶予期間は、家計を見直し、安定した返済をスタートさせるための非常に重要な準備期間となります。

4. 楽天カードを任意整理すると楽天のサービスは使えなくなる?

楽天カードを任意整理する上で、多くの方が心配されるのが「楽天の他のサービスは使えなくなるのか?」という点です。楽天はポイント経済圏が非常に強力なため、その影響は気になるところでしょう。

ここでは、各サービスへの影響を個別に詳しく解説します。

4-1. 楽天カードそのものは使用不可

まず大前提として、任意整理の対象とした楽天カードは、手続きを開始した時点(専門家が受任通知を送付した時点)で強制解約となります。これは楽天カードに限らず、すべてのクレジットカードで共通の対応です。

当然、カードに付帯しているETCカードや、家族が利用している家族カードもすべて利用できなくなります。公共料金や携帯電話料金、各種サブスクリプションサービスの支払いを楽天カードに設定している場合は、速やかに支払い方法を変更しないと、支払いが滞り、サービスが停止してしまう可能性があるため、十分な注意が必要です。

一度任意整理をしたカードは、完済しても復活することはありません。

4-2. 楽天カードと連携している楽天ポイントは失効する可能性も

これまで貯めてきた楽天ポイントがどうなるのかも、非常に気になる点です。

楽天カードの会員規約には、会員資格を喪失した場合には、ポイントも失効する旨が記載されています。任意整理を行うと強制解約となり、会員資格を喪失するため、原則として楽天ポイントはすべて失効してしまうと考えるべきです。

そのため、もし可能であれば、弁護士や司法書士に相談する前に、貯まっているポイントを使い切っておくことをお勧めします。ただし、商品をポイントで購入し、それをすぐに売却して現金化するような行為は、財産隠しと見なされるリスクがあるため避けるべきです。日用品の購入など、普段の生活の範囲内で消費するのが良いでしょう。

4-3. 楽天銀行はこれまで通り利用できる

楽天銀行の口座を持っている方も多いと思いますが、楽天カードを任意整理しても、楽天銀行の預金口座が凍結されたり、使えなくなったりすることは基本的にありません。

銀行口座はあくまで個人の財産であり、カード会社がそれを勝手に凍結することはできないからです。給与の振込口座や公共料金の引き落とし口座として、引き続き利用することが可能です。

ただし、注意点が一つあります。楽天カードの利用代金の引き落とし口座に楽天銀行を指定している場合は、必ず他の銀行口座からの引き落としに変更するか、振込用紙での支払いに切り替える手続きが必要です。また、後述しますが、楽天銀行のカードローンを利用している場合は、状況が異なるため楽天銀行の口座へも影響が出るので注意が必要です。

4-4. 楽天市場での買い物はこれまで通りにできる

楽天経済圏の中心である「楽天市場」。ここでの買い物ができなくなるのではないかと心配される方もいますが、ご安心ください。

楽天カードを任意整理した後も、楽天市場で買い物をすることは可能です。ただし、支払い方法はクレジットカード払い以外を選択する必要があります。

  • 銀行振込
  • 代金引換
  • コンビニ払い
  • Apple Pay(別のクレジットカードを登録している場合)

などの決済方法を利用すれば、これまで通りショッピングを楽しむことができます。楽天の会員ID自体が使えなくなるわけではありません。

4-5. 楽天モバイルはこれまでどおり使用できる

楽天モバイルを契約している場合も、基本的にはこれまで通り利用を継続できます。

ただし、これも楽天市場と同様で、携帯電話料金の支払いを楽天カードに設定している場合は、必ず支払い方法を変更する必要があります。口座振替や他のクレジットカードへの変更手続きを速やかに行いましょう。手続きを怠ると、料金未払いとなり、最終的には強制解約やサービスの利用停止につながる恐れがあります。

5. 楽天カードを任意整理する際に気を付けるべきこと

楽天カードの任意整理は、返済の負担を軽減するための有効な手段ですが、手続きを進める上ではいくつかの注意点やデメリットも理解しておく必要があります。

5-1. ブラックリストに載る

任意整理を行うと、その情報が個人信用情報機関に「事故情報」として登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。

日本の主な信用情報機関は以下の3つです。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー): 主にクレジット会社が加盟
  • JICC(株式会社日本信用情報機構): 主に消費者金融会社が加盟
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター): 主に銀行が加盟

任意整理をすると、これらの機関に「異動情報」として登録され、情報が消えるまでには和解契約に基づく返済を完済してから約5年の期間がかかります。

この期間中は、以下のような影響が出ます。

  • 新たなクレジットカードの作成ができない
  • 住宅ローン、自動車ローン、カードローンなどの新たな借り入れができない
  • スマートフォンの本体代金を分割払いで購入できないことがある
  • 賃貸住宅の契約で、信販系の保証会社の審査に通らないことがある

生活への影響が大きいため、任意整理を行う際は、このデメリットを十分に理解しておく必要があります。

5-2. キャッシングとショッピングの両方まとめて任意整理する

楽天カードには、お金を借りる「キャッシング枠」と、買い物に使う「ショッピング枠」があります。

任意整理を行う場合、「キャッシングだけ整理して、ショッピングはこれまで通り使いたい」といったように、一部だけを整理することはできません。 任意整理の対象は楽天カードとの契約全体に及ぶため、キャッシングとショッピングの両方が手続きの対象となり、結果としてカード自体が強制解約となります。

これは、リボ払い、分割払い、一括払いのいずれの残高であっても同様です。

5-3. 必ず成功するとは限らない

楽天カードは任意整理に協力的であると述べましたが、それでも交渉が必ず成功するとは限りません。以下のようなケースでは、交渉が難航したり、和解を拒否されたりする可能性があります。

  • 取引期間が極端に短い: カードを作成してから一度も返済せずに任意整理を申し出るなど、当初から返済の意思がなかったと判断されるような場合。
  • 返済能力が著しく低い: 提示する返済計画(分割払いの金額)が、債務額に対してあまりにも少額である場合。
  • 不誠実な対応: 交渉の過程で虚偽の申告をするなど、信頼関係を損なうような行為があった場合。

専門家は、依頼者の収入や家計の状況を詳細にヒアリングした上で、楽天カード側が納得するような現実的な和解案を作成し、交渉に臨みます。

5-4. 楽天銀行カードローンも債務整理が必要になることがある

これは非常に重要な注意点です。もしあなたが楽天カードだけでなく、楽天銀行のカードローン(楽天銀行スーパーローンなど)も利用している場合、原則として両方を同時に任意整理の対象に含める必要があります。

なぜなら、楽天カード株式会社と楽天銀行株式会社は、同じ楽天グループの企業だからです。

債務整理には「債権者平等の原則」という考え方があり、特定の債権者だけを優遇することを禁じています。そのため、一方(楽天カード)だけを任意整理して、もう一方(楽天銀行カードローン)はそのまま返済を続ける、という対応をすると、楽天グループ全体として「不平等な扱いだ」と判断し、交渉に応じない可能性が非常に高くなります。

楽天銀行のカードローンを任意整理すると、その銀行の預金口座が一時的に凍結され、預金残高とローン残高が相殺されるリスクがあります。楽天銀行を給与振込口座などに利用している場合は、事前に預金を引き出しておくなどの対策が必要になるため、必ず専門家に相談してください。

5-5. 債権が債権回収会社へ譲渡されると厄介になる可能性がある

楽天カードへの返済を長期間(一般的に3ヶ月以上)滞納すると、楽天カード株式会社から債権回収会社(サービサー)に債権が譲渡されたり、回収業務が委託されたりすることがあります。

債権回収会社は、債権の回収を専門に行う法務大臣の許可を得た民間企業です。交渉相手がこの債権回収会社に変わると、楽天カード本体と交渉するよりも厳しい対応をされることがあり、交渉が難航する傾向にあります。

例えば、将来利息のカットに応じてもらえなかったり、より短い期間での分割返済を求められたりするケースです。

支払いが苦しいと感じたら、長期間放置して事態を悪化させる前に、できるだけ早い段階で専門家に相談することが、有利な条件で和解するための鍵となります。

5-6. 今後を考えた現実的な返済プランを考える

任意整理は、借金を帳消しにする手続きではありません。和解契約で合意した金額を、決められた期間内に分割で返済していく必要があります。

もし和解後に返済が滞ってしまうと(通常は2回以上)、楽天カード側から「期限の利益の喪失」を主張され、残額の一括請求をされたり、給与の差し押さえといった法的措置(強制執行)に移行されたりするリスクがあります。

そうなると、再度交渉(再和解)することは非常に困難ですし、せっかく任意整理をした意味がありません。

そのため、任意整理を依頼する際には、専門家と十分に相談し、ご自身の収入と支出を正確に把握した上で、絶対に無理のない、現実的な返済計画を立てることが何よりも重要です。

6. 任意整理中に新規で楽天カードを作り直すことはできる?

結論として、任意整理の手続き中(専門家に依頼してから完済するまで)に、新たに楽天カードを作ることはできません。

前述の通り、任意整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録されます。クレジットカード会社は、新規申込の審査を行う際に必ずこの信用情報を照会するため、事故情報が登録されている限り、審査に通ることはまずありません。

これは楽天カードに限らず、他のすべてのクレジットカード会社に共通することです。それに、受任通知を送った段階でカードは強制解約になります。

7. 任意整理後に新規で楽天カードを作ることはできる?

では、任意整理で和解した借金をすべて完済した後はどうでしょうか。

この場合、将来的に再び楽天カードを作れる可能性はあります。 ただし、あくまでも可能性であり、すぐに作れるわけではなく、いくつかのステップと時間が必要です。

任意整理の事故情報が信用情報機関から削除されるのは、完済してから約5年後です。この情報が消えれば、申込審査の上で大きな障害となっていたものがなくなるため、理論上は再びクレジットカードを作れるようになります。

しかし、ここで注意したいのが「社内ブラック」という存在です。

信用情報機関の情報とは別に、クレジットカード会社は自社で過去の顧客データを保管しています。過去に任意整理の対象となったという事実は、楽天カードの社内データに半永久的に記録が残る可能性があります。

そのため、信用情報機関から事故情報が消えた後でも、楽天カードに申し込むと、この社内データを理由に審査で不利に扱われ、結果として審査に通らないというケースも十分に考えられます。

絶対に再発行できないわけではありませんが、他のクレジットカード会社に申し込むよりも審査のハードルは高いと認識しておくべきでしょう。

8. 任意整理後にクレジットカードの発行審査を通過するためのポイント

任意整理を終え、再びクレジットカードを持てるようになるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。これは楽天カードだけでなく、他のカードの審査にも共通する事柄です。

8-1. 収入の安定した仕事に就く

クレジットカードの審査で最も重視されるのは、「安定した継続収入があるか」という点です。返済能力の証明となるためです。

正社員や公務員として働いており、さらには大手企業で勤続年数が長いほど、審査では有利になります。任意整理後の生活再建の一環として、安定した職業に就き、収入基盤を固めることが大切です。

8-2. 個人事故情報(ブラックリスト)が抹消されるまで我慢

何事も焦りは禁物です。完済後すぐに申し込んでも、まだ信用情報に事故情報が残っているため、審査には通りません。

まずは完済から5年間が経過するのをじっと待ちましょう。 自分の信用情報がどうなっているか不安な場合は、CICやJICCといった信用情報機関に情報開示請求を行うことができます。インターネットや郵送で簡単に取り寄せることができるので、申し込み前に自分の信用情報を確認し、事故情報がきちんと削除されていることを確かめてから行動するのが最も確実です。

8-3. 同時申し込みはなるべく避ける

事故情報が消えた後、早くカードが欲しいために、一度に複数のクレジットカード会社に申し込みをするのは避けるべきです。

信用情報機関には、カードの申込履歴も6ヶ月間記録されます。短期間に多数の申し込みがあると、カード会社から「お金に相当困っているのではないか」「貸し倒れのリスクが高い」と判断され、審査に通りにくくなる「申し込みブラック」という状態になってしまいます。

申し込みは、1社ずつ、期間を空けて(最低でも6ヶ月)行うようにしましょう。

8-4. 申込時にはキャッシング枠を付けないこと

クレジットカードを申し込む際、キャッシング枠を希望するかどうかを選択できます。キャッシングは直接現金を借りる機能であり、カード会社にとっては貸し倒れのリスクが高くなります。

審査通過の可能性を少しでも上げるためには、キャッシング枠を「0円」または「希望しない」で申し込むのが有効です。ショッピング専用のカードとして申し込むことで、カード会社に与える安心感が高まり審査も緩くなると言われています。

8-5. 見栄えのいいクレヒスをつくっていく

任意整理後、信用情報から事故情報が消えた状態は、過去の履歴が何もない、いわば「真っ白」な状態(スーパーホワイト)です。実はこの状態も、カード会社によっては「過去に何かあったのではないか」と警戒されることがあります。

そこで有効なのが、良好なクレジットヒストリー(クレヒス)を新たに積み上げることです。つまり、返済実績の積み重ねです。

例えば、スマートフォンの本体代金を分割払いで購入するという方法があります。これも割賦契約の一種であり、毎月遅れずに支払いを続けることで、信用情報機関に良好な返済履歴が記録されていきます。あとは、毎月の光熱費をクレジット払いにしてクレヒスを溜めるという方法も簡単に取り組めます。

このような良いクレヒスを1〜2年程度積み重ねてからクレジットカードの審査に臨むと、信用度が上がり、審査に通りやすくなります。

9. 楽天カードの返済が厳しいと思ったら、早めに専門家に相談を

ここまで楽天カードの任意整理について詳しく解説してきましたが、最も大切なことは「一人で抱え込まず、専門家に相談する」ことです。

支払いが厳しい状況を放置しても、事態は好転しません。むしろ、遅延損害金が膨らみ、督促の電話や郵便に精神的に追い詰められ、最終的には債権回収会社への移行や訴訟といった、より深刻な事態へと発展してしまいます。

弁護士や司法書士といった債務整理の専門家に相談すれば、

  • あなたに最適な解決策を提案してくれる: 任意整理がベストなのか、あるいは個人再生や自己破産を検討すべきなのか、専門的な知見からアドバイスしてくれます。
  • 楽天カードとの交渉をすべて代行してくれる: 複雑で精神的な負担の大きい交渉事を、すべてあなたの代理人として行ってくれます。
  • 依頼した時点(受任通知送付後)で、督促がストップする: これにより、精神的な平穏を取り戻し、落ち着いて生活の再建に集中できます。
  • 将来利息をカットし、月々の返済額を無理のない範囲に減らせる: 現実的な返済計画を立て、完済までの道のりを明確にしてくれます。

多くの法律事務所や司法書士事務所では、債務整理に関する初回相談を無料で行っています。まずは無料相談を利用して、現状を話し、どのような解決策があるのかを聞いてみるだけでも、目の前が大きく開けるはずです。

10. 楽天カードの任整整理・よくあるQ&A

最後に、楽天カードの債務整理に関して、特に多く寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 楽天カードが任意整理に応じてくれないこともある?

A. 可能性はゼロではありませんが、極めて稀です。楽天カードは金融業者の中でも任意整理に協力的な会社として知られています。弁護士や司法書士が間に入り、現実的な返済計画を提示すれば、ほとんどのケースで交渉に応じ、和解が成立します。ただし、自分で交渉を行ったり、取引期間が極端に短かったり、収入が全くなく返済の見込みが立たなかったりする場合には、交渉が難航または不成立となることもあります。

Q. 任意整理をすると、手元の楽天カードは強制解約になる?

A. はい、その通りです。任意整理の手続きを開始すると、その時点で楽天カードは強制的に解約されます。ETCカードや家族カードも含め、すべての機能が利用できなくなります。これは、楽天カードとの間の契約を見直し、分割払いの和解契約を新たに結び直す手続きであるため、既存のクレジットカード契約は維持できないからです。

Q. 任意整理後に楽天カードの再発行は可能?

A. 可能性はありますが、簡単ではありません。任意整理の返済を終えてから約5年が経過し、信用情報機関の事故情報が消えた後であれば、再度申し込むことは可能です。しかし、楽天カードの社内には過去のデータ(社内ブラック)が残っているため、新規申込者よりも審査が厳しくなる傾向があります。他のクレジットカード会社で良好な利用実績を積んでから挑戦する方が、可能性は高まるかもしれません。

Q. 任意整理をした楽天カードは復活できる?

A. いいえ、一度任意整理の対象となったクレジットカードが「復活」することはありません。任意整理は既存の契約を解約した上で、新たな返済条件で和解する手続きです。したがって、完済したとしても、解約されたカードが元通り使えるようになるわけではありません。もし同じカード会社のカードが欲しければ、あくまで「新規」として再度申し込み、審査を受ける必要があります。

11. 楽天カードの任意整理 まとめ

今回は、楽天カードの任意整理について、その傾向から具体的な影響、注意点までを網羅的に解説しました。

<楽天カード任意整理のポイント>

  • 楽天カードの利用代金は任意整理が可能です。
  • 楽天カードは任意整理に協力的で、将来利息の全額カット60回程度の分割払いに柔軟に応じてくれる傾向があります。
  • 任意整理をすると、楽天カードは強制解約となり、楽天ポイントも失効する可能性が高いですが、楽天銀行や楽天市場、楽天モバイルなどのサービスは支払い方法を変更すれば継続利用が可能です。
  • デメリットとして、信用情報に約5年間事故情報が登録される(ブラックリスト状態になる)点を理解しておく必要があります。
  • 楽天銀行のカードローンも利用している場合は、同時に整理する必要があるなど、特有の注意点があります。
  • 支払いが困難だと感じたら、事態が悪化する前に、一日でも早く弁護士や司法書士などの専門家に相談することが、最も賢明な解決策です。

楽天カードの支払いの悩みは、決してあなた一人だけの問題ではありません。多くの人が利用しているカードだからこそ、同じように悩みを抱えている人も大勢います。そして、その多くが債務整理という法的な手続きによって、問題を解決し、新たな生活をスタートさせています。

債務整理の専門家へ勇気を出して、まずは無料相談を利用してみてください。きっと、解決への道筋が見えてくるはずです。

記事監修者

ローワン綜合法務事務所の司法書士 中瀬雄太です。
債務整理・借金相談ならお任せください。

はじめまして、司法書士の中瀬です。
最後まで記事をご覧いただきありがとうございます。

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